PostgreSQLは関係型データベース管理システム(RDBMS)として長年信頼されてきたが、Kubernetesの登場により、DBAが直面する課題が新たな形で浮き彫りとなった。Kubernetesは無狀態アプリケーションの自動化を得意とするが、データベースは狀態を保持する必要があるため、DBAが懐疑的になるのは自然な流れである。本記事では、PostgreSQLをKubernetes上で運用する際の課題と、それを解決するための戦略を解説する。CNCF(Cloud Native Computing Foundation)が推進するKubernetesエコシステムの価値と、DBAが新たな技術に適応するための実踐的なアプローチを紹介する。
PostgreSQLは関係型データベース管理システムであり、高可用性、複製、バックアップ、災害復舊といった機能を備えている。一方、Kubernetesはコンテナオーケストレーションツールであり、アプリケーションのデプロイ、スケーリング、管理を自動化する。この2つの技術を組み合わせることで、データベースの運用効率を向上させることができる。
KubernetesはStatefulSetやPersistent Volumesといった機能を提供し、狀態を持つアプリケーション(如データベース)の運用を可能にする。また、Operatorという概念を活用することで、DBAが行う手作業を自動化することができる。
Kubernetes Operator(例:Crunchy Data PostgreSQL Operator)は、バックアップ、高可用性構成、アップグレードなどのDBAが行う作業を自動化する。StatefulSetはデータベースノードの安定性を保証し、Persistent Volumesはデータの永続性を実現する。Sidecarコンテナは監視、バックアップ、メトリクスの収集などの機能を提供する。
Kubernetesは企業規模のデータベース(多TB規模)をサポートしており、2024年の報告書ではデータベースがKubernetesの主要なワークロードの一つであることが示されている。Operatorの導入により、手動操作のリスクが低減され、深夜の緊急対応が減らされる。
DBAは自動化された作業に注力し、データベースのアーキテクチャ設計、データモデルの最適化、パフォーマンスチューニングなどの戦略的なタスクに専念できる。これにより、データベースサービスの拡張性とリソース利用率が向上する。
2016年にStatefulSetとOperatorの概念が導入され、データベースのサポートが可能になった。2017年にCrunchy DataがPostgreSQL Operatorをリリースし、その後さまざまなデータベース用Operatorが登場した。
企業はKubernetes上で多データセンター、高可用性構成、ハイブリッドクラウドの展開を実現している。Operatorを活用することで、自動化されたアップグレード、スケーリング、ヘルスチェックが可能になる。
KubernetesはDBAの役割を変化させるが、自動化により繰り返しの作業を減らし、戦略的なタスクに専念できるようにする。DBAはKubernetesを學ぶことで、データベース管理の効率を高め、企業の技術戦略に貢獻できる。挑戦を恐れず、新たな技術と組み合わせることで、データベースの運用をより効果的に進めることが可能である。